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nori

Author:nori
自己完結な独り言を書いてます。
とうとう四十になっちまいました。
「四十にして惑わず」とはほど遠い状態を何とかせねば・・・

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父の癌

09 11, 2006 | 旧ブログ「のりコラム」時代

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俺よりひとつ年上の部下、Hさんのお義父さんの癌は、
もう全身に転移してしまったそうだ。

Hさんと彼女とはもう十年の付き合いになるそうだけれど、
一緒に生活しているだけで、籍はまだ入れていない。何に躊躇
して籍を入れないのか分からないけれど、特別何かのポリシー
があってそうしているのではないらしい。子供が出来ればまた
違ったのかもしれないけれど、そうはならなかった。

だからHさんは以前から、「お義父さんのことが苦手だ」と言っていた。
「会うのが怖い」、と言っていた。

そして、そのこともあってか、彼はいまとても後悔している。
お義父さんが病気になったのは、少なからず自分に原因がある、と。

そこにどれだけの因果関係があるのか分からないけれど、
「そんなことは全く関係ないことだから、気にする必要なんて全然ないよ」
って、声を掛けることは出来なかった。
・・・・・・だって、ほんとうに関係があるかも知れない。
「今から出来ることを、精一杯やるしかないよね」としか言えなかった。。


俺の父親はもう居ない。自分の父も、義理の父も。
どちらも癌だった。

自分の父は大正の生まれで、とても厳しい人だった。
父親と一緒に、腹を抱えて笑った覚えは一度もない。
公園でのキャッチボールは遊びではなく「練習」だったし、
泣きながらボールを追いかけたことも何度もあった。
俺は常に敬語で話し掛けてたし、何を話すにしても
常にピリピリと緊張していた。

そんな父親と衝突したのが高校時代。それ以後、癌になるまで
まともに口をきいたことがなかった。
というより、口をきいてもらえなかった。

四つ上の姉も同じように衝突して、彼女は学生時代に家を飛び
出してしまった。母親だけが居場所を知っている、という状態が
随分長く続いた。母が何度もとりなそうとしたけれど、がんとして
家の敷居はまたがせなかった。
だから姉の結婚式にさえ、父は出席していない。
自分の娘の結婚式に出られない口惜しさはどれくらいのもの
だっただろうか? 父親になったいま俺は、そうも考えるけれど、
でもそれも、父の度を越した頑固さが原因なのだから仕方がない。

そんな父がある時突然、癌になってしまった。
歩くのが早く、家族で出かける時でも必ず5メートルは先を
一人で歩いていくような父だったのに、50メートルも歩けば
立ち止まって腰掛けなければならない父を見た時は、病名を
聞いた時以上にショックだった。

家族の中で自ら孤立していった父の病気の原因は、
家族になかったとは言い切れない。
でも父は、病気になったお陰で、すべてを丸く収めて逝った。

病院のレストランで、姉の旦那さんと向こうのご両親と初めて会い、
初孫を腕に抱いて、あまり見たことのないぎこちない笑顔で、
でもとても幸せそうに、笑っていた。

父の仕事の残務を手伝った俺に、ぼそりと「悪かったな」って言ってた。


癌は悲惨だ。
特に父は、治したい って思いが強かっただけに、
抗癌剤の副作用で余計に苦しんだ。
治療をしないで安らかに逝くなんて選択肢は、父には考えられ
なかったんだと思う。

だから、何がどう丸く収まったとしても、
癌になって良かったんだ なんて、とても思えない。
けれど、癌になってしまった状況の中で、精一杯のことをやって
父は死んでいった。今まであんなだったクセに、最後にきてそりゃ無いぜ!
って、本気で思ったくらいに。でも、自分にはそれが出来なかった。
精一杯のことをしてあげられなかった。
それに気づいたのは、義父さんの癌を看病している義母さんや義姉さんを
見たときだった。自分も父に、もっといろいろ出来た筈なのに・・・。


Hさんも精一杯のことをやってあげられるといいな。
少なからず、自分にも原因がある と本気で思っているなら、なおのこと。
そしてだからこそ、自分にも原因がある と思い続けて欲しいな。今はまだ。
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